beat freak|エイベックスの無料音楽情報「ビートフリーク」 » お http://www.beatfreak.jp beat freak|エイベックスの無料音楽情報「ビートフリーク」 Fri, 15 Jul 2011 08:00:47 +0000 http://wordpress.org/?v=2.8.6 ja hourly 1 大島麻衣 http://www.beatfreak.jp/interview/23732/ http://www.beatfreak.jp/interview/23732/#comments Sat, 09 Jul 2011 03:00:30 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=23732 「Second Lady」をリリースする大島麻衣。歌詞の雰囲気、ミュージック・ビデオなどのアート・ワーク…すべてが今までとはひと味ちがう今作に、彼女が込めた思いを訊いた!]]> 01_OshimaMai_610350

7月27日にサード・シングル「Second Lady」をリリースする大島麻衣。歌詞の雰囲気、ミュージック・ビデオなどのアート・ワーク…すべてが今までとはひと味ちがう今作に、彼女が込めた思いを訊いた!


 今作は、今までの恋愛に対してポジティヴな内容とはちがって、ツライ恋をしている女の子の迷いや葛藤が表現された楽曲ですね。

大島麻衣:最近の恋愛事情みたいなものをスタッフと話していた時に、“2番目の女の子”とか、“浮気されがちな女の子”っていうのが多いんじゃないかっていう話が出たんです。自分が2番目だっていうことに気づいているけど相手のことを嫌いになれなかったり、2番目でも良いから一緒にいたいって思っていたり…。とにかく、そういう女の子の気持ちを代弁して歌いたいなと思って。

 歌っていて、「気をつけて!」って注意しているニュアンスのほうが強いですか? それとも共感してほしい?

大島麻衣:共感してくれる子も多分いると思うので、そういう子は曲の世界に浸りながら、カラオケで歌ってスッキリしてもらいたいですね。“浮気しているんじゃないかな?”って思っている彼氏の前で歌ってみるのも良いと思います(笑)。“あれ? 気づかれている?”みたいなきっかけになったら良いな。あと、浮気をされた経験がない子には、今後の参考になれば。“あなたの彼氏、大丈夫ですか?”っていう、参考資料として聴いてもらえたらうれしいですね。曲調もかっこ良いので、ひとつの音楽として楽しんでもらえると良いなと思います。

 サウンドも今までとちがってかなりクールな雰囲気ですよね。

大島麻衣:“大人の大島麻衣を見せていきたい”っていう気持ちがあったんです。だから、つくりながら“どうなるのかな?”って私自身も楽しみにしていました。ミュージック・ビデオやジャケット写真といったアート・ワークも、結構ガッツリつくり込みましたし。

 そういうアイデアは自分から?

大島麻衣:そうですね。やっぱり、今までの大島麻衣を知っている人もそろそろちがう面を見たいんじゃないかなって思ったし、自分自身も“あれ? 今回の大島麻衣、ちょっとちがうんじゃない?”っていうサプライズをしたかったんです。“まいまいの曲、明るくてポップなんでしょ?”っていう期待を裏切りたいというか。常にちがう一面を見せていけたら良いなって思いました。

 “自分で作詞をしてみたい!”っていう思いが芽生えたりは?

大島麻衣:言葉遊びを学びつつ、いろんな人の詞を見て“うまいなぁ”って勉強させてもらっています。まだ1曲にはならないけど、サビだけつくってみたり、短めの歌詞を書いてみたり、少しずつ成長していっている途中です。

 いつか聴けるのを楽しみにしています。ところで、今作は雰囲気がちがいますが、今までと同じ“恋愛”をテーマにした曲。恋愛の歌を歌うことへの、なにか特別なこだわりがあるんですか?

大島麻衣:自分では気づいていなかったんですけど、友だちと話していて、「恋愛体質じゃん」って言われたことがあるんですよ。自分では信じられなかったんですけど、「高校生の時からずっとそうだよ」とか言われて。それなら恋愛の歌を歌ったほうがリアルだし、気持ちも入れやすいなって思ったんです。それが1番の理由かなぁ。あと、女の子って常に恋をしているじゃないですか。だから、歌で応援したいし、「気をつけてね」っていう黄色信号も出したい。今回のような“気をつけてね系”の曲ってあんまり歌っている人がいないと思うので、そういう歌もアリかなと。

 「気持ちが入る」とおっしゃいましたが、今回のレコーディングではどんなことを考えながら歌っていましたか?

大島麻衣:とにかく歌詞の中に入り込んで歌っていました。だから、想像上で自分を2番手にしている男の子にほんっっとにムカついて、すっっごくイライラしました! “絵文字ひとつで私をダマそうとしていたのね!”って感じで(笑)。

 歌詞の中の男の子は、“もう嫌いになっていいんじゃない?”っていうレベルですよね。

大島麻衣:そう! そうなんですよ。でもそのムカつく気持ちよりも愛が勝ってしまうんですよね、今回の恋愛は。“なんで私、彼を嫌いになれないんだろう?”っていう葛藤を、歌の中で表現したつもりです。

 似たような経験をしている友だちがいたり…?

大島麻衣:私の周り、セカンド・レディが多いんですよ〜。彼女と一緒にいる時は彼も“1番扱い”をするから、2番目ってわかっていても嫌いになれないんですよね。本当のこと言ったら彼との関係が終わることがわかっているから、言えないみたいで。

 大島さんも、彼氏の携帯を見ちゃった経験ってあります?

大島麻衣:携帯を見たことはないんですけど、見られたことはあるんです。だから、歌っていて心が痛む部分はありましたね。彼氏の立場に立って、“これ、私もやられたな〜”って。でも、浮気をされたこともあるので、女の子の気持ちも痛いほどわかるんです。

 そのあたりの実体験が、曲に反映させられた部分はありますか?

大島麻衣:Bメロで、♪WHY?♪って歌うところがあるんですけど、そこではかなり感情をぶつけましたね。すごく熱がこもった、別人格が出てくるんですよ。

 歌っていれば、気持ちをスッキリ発散できる?

大島麻衣:歌だからこそ発散できる、気持ちをぶつけられるっていうのはありますね。歌えばスッキリするから、“気持ちよくなるために歌ってしまえ!”みたいな。

 カップリングの「Miracle Love」は、「Second Lady」の女の子の友だち目線みたいな曲ですね。

大島麻衣:まさにセカンド・レディである友だちのために歌っている曲というか。「ダメだって」って言いつつ、「良い恋愛しようね」って励ましているような曲です。2曲が、真逆のように聴こえて、実はつながっているっていう感じですね。

 普段の大島さんは「Miracle Love」の目線に近い?

大島麻衣:そうですね、近いと思います。友だちにも結構バシバシ言いますし。「そんな彼氏やめなよ、どこが良いの?」とか、「私が見定めるから、会わせて!」とか(笑)。

 ちなみに、今回の2曲はトラックと歌詞、どちらが先にできあがっていたんですか?

大島麻衣:曲ですね。いろんな雰囲気の曲が入ったデモ・テープをもらって、その中からチョイスしました。

 制作中、他に大変だったことはなにかありますか?

大島麻衣:今回は今までとテイストがちがう曲なので、リズムの取り方がちがったことが大変でした。あと、かっこ良さを出すためのボイス・トレーニングも、楽しかったんですけど苦労しました。

 初回盤が2パターンあって、「Second Lady」のミュージック・ビデオも2パターンあるんですよね。まず通常のミュージック・ビデオは、どんな仕上がりですか?

大島麻衣:ガッツリとかっこ良くなっています。サビの部分では踊っているんですけど、幸せな恋愛をしている時の女の子と、どうしたらいいかわからずに葛藤している時の女の子っていうのを、陰と陽のように、わかりやすくミックスした内容ですね。

 もう1パターンの、<room edit>の方は?

大島麻衣:ムカついた時とか、ベッドで「ワァァ」ってジタバタしちゃうことってあるじゃないですか。その雰囲気を表しているというか。かわいらしい中にも葛藤しているシーンが多くて、悩んでいる女の子の気持ちがすごく表現されていると思います。あ、枕を投げるシーンがあるんですけど、それは結構苦労しましたね。カメラに本気で投げすぎてたくさん失敗したので、そのシーンはすごく観てほしいです。

 初回盤Aパターンにはメイキング映像もつきますが、そういうNGシーンも収録されているんでしょうか?

大島麻衣:あの枕のシーンは、きっと入っているでしょうね(笑)。あとは、ヒールの高い靴で激しく踊るのも大変でした。ダンス・シーンでは3人の大島麻衣が出てくるんですが、それぞれちがうメイクと服装の大島麻衣なので楽しんでいただけると思います。3人それぞれのキャラクターのちがいも、ダンスを通して伝われば良いなと思っています。

 いつもと雰囲気のちがう自分を見てもらうことは楽しみ?

大島麻衣:はい、みなさんの反応がすごく楽しみです。どういう大島麻衣が好かれるのかわからないし、新たな面を見せてどう思われるんだろうって思っていますね。今回の曲は本当に今までの笑顔でキャピキャピしている大島麻衣とはガラッとイメージが変わって、かっこ良くなっています。声や歌い方のちがいも楽しんでいただけたらと思いますが、ミュージック・ビデオで見せるツライ恋と戦うクールな女の子・大島麻衣をぜひ観ていただけたらと思います!


INTERVIEW:Ai Kishino


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BeeTV『美少女デート 〜あなたが選ぶ、理想の彼女〜』尾崎ナナ http://www.beatfreak.jp/interview/22441/ http://www.beatfreak.jp/interview/22441/#comments Fri, 08 Apr 2011 06:21:10 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=22441 『美少女デート 〜あなたが選ぶ、理想の彼女〜』。臨場感あふれるこの体感型番組に“セクシー系”担当として出演している尾崎ナナちゃんにインタビュー!]]> 01_BeeTV_610350

理想の女の子とのデートを体感できるBeeTVの新番組『美少女デート 〜あなたが選ぶ、理想の彼女〜』。臨場感あふれるこの体感型番組に“セクシー系”担当として出演している尾崎ナナちゃんにインタビュー!


 尾崎さんは“セクシー系”担当ですが、男性から“セクシー”と見られることについては、どう感じていますか?

尾崎ナナ:自分では今まで“セクシー”という認識がなかったので、素直にうれしいです。女性なら誰でも、“セクシーじゃない”と思われるよりも、“セクシー”と思われた方がうれしいと思いますよ。

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 自分ではどんなタイプだと思っていたんですか?

尾崎ナナ:子供の頃から知らない間にアザをつくっていたり、何もないところで転んでいたので(笑)、“天然系”かなと。でも、このお仕事をしてから特に“天然”よりも“セクシー”なんだなっていうのを自覚しました。

 自分が“セクシーだな”と感じるのはどんな時?

尾崎ナナ:この番組で言うと、セリフを言った時の雰囲気とか、グラビアやDVDで言うなら、決めポーズをとっているシーンとか。この間、DVDでOLの格好をして、ストッキングを静かに履くっていうシーンを撮影したんですけど、あれは自分でもセクシーだなと思いましたね。危険な香りがすると言うか(笑)。

 そういう仕草は、鏡の前で研究するんですか?

尾崎ナナ:お風呂から上がって、マッサージをした後に、裸のまま体のラインをチェックしたり、下着を付けてからどうやったら胸がよりきれいに見えるかとか、15分くらいポーズの研究をしてます。人には絶対見せられない姿ですけど(笑)。

 プロポーションを維持するため、ボディ・ラインのチェックの他にしていることは?

尾崎ナナ:お風呂が大好きなので、時間を掛けて半身浴しています。長い時だと2〜3時間くらい。時間がない時でも1時間はやっています。あとはお風呂上がりにマッサージを。みんな腕や足はやると思うんですけど、私は特に胸を入念にやっていて、1年でEカップからGカップにサイズ・アップしました!

 何か特別な方法で?

尾崎ナナ:いえ、普通にバスト・クリームを使って、毎日やっていただけなんですけど。バスト・マッサージをやるようになったきっかけっていうのが、風邪を引いて2日くらい寝込んだことがあって。直った後にお風呂から上がって、鏡を見たら胸がしぼんで、少し垂れているような気がしたんです(笑)。それで“これはヤバい!!”と思って、どうしたら直るかネットで調べていたら“バスト・クリームを使ってマッサージをするといい”っていうのを見つけて、試してみたんです。そうしたら、本当に効果があって、ビックリしましたね。バスト・クリームにも、大きくするものからハリを出すものまで、いろんな種類があって、私も今までに10種類以上試してみました。だから、ちょっとしたマニアです(笑)。

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 テレビやDVDの撮影と比べて、どんなところが難しかったですか?

尾崎ナナ:相手が実際にはいないというか、カメラに向かってお芝居をするので、最初は入り込むのにちょっと苦労しました。でも、やっているうちに、カメラを本当に彼氏のような気持ちでやれるようになっていったので、観ていただければ、本当の彼女がしゃべっているように見えると思います。あと、普段はおっとりしていて、怒ることがないんですよ。だから怒鳴るシーンがあるんですけど、それが難しかったです。たぶん、人生ではじめてあんなに怒鳴ったんじゃないかな(笑)。

 番組の中では、尾崎さんが「ここに行きたい!」と振り回している感じですけど、実際のデートでもこんな感じ?

尾崎ナナ:どちらかというと、相手の意見を優先する方ですね。強引に「ここに行きたいから一緒に行こうよ!」って言われると、自分があまり乗り気じゃなくても付いていっちゃいます(笑)。結構、流されやすいタイプなんですよ。だから、付き合うなら引っ張っていってくれる優しい人がいいですね。お兄ちゃんみたいな感じで。それで、かわいがってくれて、甘えさせてくれたら最高です。

 番組の中では、スポーツ・クラブやダーツ・バーでデートをしていましたが、運動するのは好き?

尾崎ナナ:実は真逆で、運動するとそのストレスで食べちゃうタイプなんです(笑)。でも、ダーツはたまに友達と行きますね。ただ、撮影の時はひさしぶりだったので、なかなか的に当たらなくて、撮影が長くかかっちゃいました。

 デートをするなら、どんなコースが理想?

尾崎ナナ:“大人のデート”をしたいかな。ドライブとか。私は免許を持ってないんで、助手席専用ですけど(笑)。それで海に行って、手をつないで海岸を散歩して、帰り道にゲームセンターとか寄り道をしながら、夜景のきれいなところでディナーみたいな。でも、さっきも言いましたけど、基本は相手に合わせるタイプなので、相手が行きたいところなら、どこにでも付いていきますよ。ペットみたいな感じで。よく“犬っぽい”って言われます(笑)。

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 番組では、最後の選択肢でハッピーエンドか、バッドエンドにわかれますが、尾崎さんの実際のデートでの失敗談は?

尾崎ナナ:失敗談と言うか、初デートで遊園地は避けた方がいいかなと思います。乗り物に乗る待ち時間が結構長いので、相手と打ち解けてからじゃないと、間が持たなくて、気まずい空気が流れちゃうと思います。

 男性に対して“これはないな〜”と感じる行為は?

尾崎ナナ:一緒に食事に行って、あまり食べないのはちょっと…。やっぱり女の子は、相手の人が食べてくれないと、食べにくいんですよね。男の人よりも食べるのって、女の子としては恥ずかしい気持ちがあるし。

 逆に男性のどんな仕草にドキッとしますか?

尾崎ナナ:単純なことなんですけど、女の子が荷物を持っていたら、どんなに軽くても持ってくれる優しさを見せられるとうれしいですね。重い荷物は、ほとんどの男性が持ってくれるけど、軽い荷物だと“持とうか?”とはあまり行ってくれないので。あとは、さりげなく頭をなでてくれたりとか。何気ない優しさを感じると、コロッと惚れちゃいます(笑)。

 理想の男性のタイプは優しい人?

尾崎ナナ:そうですね。それでいて、自分をしっかり持っていて、目標がある人。でも、洗濯とか、掃除とか、身の回りのことはダメな方が理想です。意外と世話女房タイプなので(笑)。仕事やプライベートはしっかりしているんだけど、家に帰ると何もしなくって、“私がいないとダメじゃん”って思わせてくれるくらいがいいですね。

 ハッピーエンドを迎えると、尾崎さんのキス顔を観ることができますが、キス顔を撮られるのは恥ずかしかった?

尾崎ナナ:恥ずかしかったですよ〜。プライベートでも、自分から“キスして”って、キス顔をしたことがないし、キス顔なんて、普段自分で見ることないじゃないですか。だから、どんな顔をしているかわからない顔を撮られるのは、ちょっと抵抗がありましたね。周りの人から“もうちょっと顔を傾けた方がいいんじゃない?”とか、いろいろとアドバイスをもらいながら、撮影した感じです。

 “ここは見逃さないで!”という番組の見どころを教えてください。

尾崎ナナ::やっぱりハッピーエンドを迎えて、私のキス顔をぜひ見てもらいたいですね。バッドエンドを選んじゃった人も、分岐で選び直して、チェックしてください。あとは“セクシー系”担当なので、私のセクシーなところを堪能してもらえたらうれしいです。胸元の開いた服を着ているので、ガッツリと見てください(笑)。タイトル通り、理想の女の子とデートしている気分になれるので、私はもちろん、みんなとデートして、いろんな女の子とキスをしてほしいなと思います。そして、実際にデートの参考にしてください。

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INTERVIEW:Shinji Takemura


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●03.01よりBeeTVで配信中!
『美少女デート 〜あなたが選ぶ、理想の彼女〜』
出演:尾崎ナナほか

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大知正紘 http://www.beatfreak.jp/interview/22405/ http://www.beatfreak.jp/interview/22405/#comments Mon, 28 Mar 2011 09:55:54 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=22405 「明日の花」は、目まぐるしく流れる時の中で、彼が感じる“今”を凝縮した作品! バンド・サウンドとともに放たれるメッセージを受け取ろう!!]]> 01_MasahiroOochi_610350

人と人との“つながり”を永久不滅のテーマに歌う、平成生まれのシンガーソングライター、大知正紘。3月2日にリリースされたセカンド・シングル「明日の花」は、目まぐるしく流れる時の中で、彼が感じる“今”を凝縮した作品! バンド・サウンドとともに放たれるメッセージを受け取ろう!!


 大知さんが音楽をはじめたきっかけを教えてください。

大知正紘:僕は小学校の頃にいじめられていて、中学校に入ったら、そうならないようにと思って、体を鍛えたりして、実際に立場が逆転していったんです。自分としては人を愛したいし、人から愛されたいと思っていたんですけど、それが原因で人がどんどん離れていってしまって…。すごく嫌だったんですけど、そうしないと自分を保てない弱さもあって。それですごく葛藤して、モヤモヤしたものを抱えながらも、どこにもぶつけられなかったんです。そんなとき、テレビから流れてきたELLEGARDENの「Missing」をたまたま聴いて、すごく衝撃を受けたんです。自分の中にあるモヤモヤしたものをぶつけようと思って、ギターを手に取って音楽をはじめました。音楽に気持ちをぶつけて、それが形になった時に、“人から望まれる”という体験をはじめてして、それがうれしくて、それからどっぷりとつかっていきました。

 ‘08年の『ストファイHジェネ祭り』に出場しましたが、この時はどんな気持ちで?

大知正紘:活動していく中で、一番うれしいのは、やっぱり目の前の人からレスポンスが返ってくることなんです。自分の曲が、友達だからとか地元だからという理由を離れて、どこまで広がっていくのか、どこまで人の心に届くかというのを試したくて、参加しました。

 そこで審査員特別賞を受賞しましたが、それがきっかけで音楽を仕事にしようと考えはじめたんですか?

大知正紘:いえ、自分は性格的に、こうと決めたらそこに向けて突っ走ってしまう方で(笑)。中学の時に音楽をはじめた時から、アーティストになれないっていう選択肢はなかったんです。だから、どういうアーティストになりたいのかとか、どういう手法をどういう順番でやっていけばいいのかっていうことを音楽をやりはじめた頃からずっと考えていて。受賞したことをきっかけに考えが変わるっていうことはありませんでした。ただ、出場して、賞をいただいたことで、学ぶことがいっぱいあったし、すごくいい経験になりました。

 大知さんはソロで活動されていますが、ソロでやることによるメリットやデメリットには、どんなことがありますか?

大知正紘:デメリットは、寂しいこと。根が寂しがり屋なので(笑)。音楽をはじめた時は、バンドでやっていて、みんなと話し合いながらつくっていくことに喜びや楽しさを感じていたので、それができないのが寂しいですね。でも、それ以上にひとりがいいなと思う部分は、やりたいことの振り幅が大きく持てるというところです。楽曲づくりにおいて、どういうメッセージを投下するのかを一番重要視していて、どんなアレンジが必要かっていうのは、メッセージありきで考えるんです。それがロックであればロックになるし、ポップであればポップになる。楽曲ごとにその都度考えていけるので、そういう意味ではひとりの方が身軽というか、振り幅を気にせずにやっていけるのが大きいです。

 プロデュースは小林武史さんが担当されていますね。

大知正紘:書き溜めていた曲の振り幅がすごく大きくて、これをどうアレンジしてもらおうかってスタッフと話し合っていた時に、名前が挙がったのが小林さんだったんです。でも、実際にやってもらえるかどうかはわからなくて、まずは曲を聴いていただいてからという形だったんですが、すぐにお返事をいただいて、やっていただけることになりました。

 小林さんはどんな方?

大知正紘:会うまでは、自分の中で勝手に“怖い人”というイメージがあったんですけど(笑)、実際にお会いして話してみると、すごく音楽に対してピュアだし、芯が強くて、頭の回転が速い方だなと。アレンジに関しては、皆川さんというアレンジャーの方と一緒にやっていて、“この方向性で進めていいか”と僕に確認しながら進めていただいたんですが、僕が自分で道を切り拓けるように、成長を促してくれているんだと思います。

 今作は、バンド・サウンドが一番の特徴ですが、この方向性はどのように?

大知正紘:今作は、“大知正紘”という人間が考えていることを、本人とともに前にバンと押し出そうと思って。“明日を自分の力で勝ち取ってほしい、そして自分も勝ち取っていくぞ”というメッセージを込めた曲だったので、それを後押しするようなバンド・サウンドに仕上げました。

 制作はいつ頃に?

大知正紘:曲をつくったのは’09年の夏、上京してきたばかりの頃で、もともと「ハナレバナレ」という曲だったんです。自分自身を見失いかけていた時で、自分の中にある叫びを自暴自棄な自分が歌うという曲だったんですけど、それからいろんな経験を重ねて、もう自分は自暴自棄ではないし、自分のやりたいこと、やっていくべきこと、そして世の中も変わっていって、放ちたいメッセージも変わっていった。それで改めて考えた時に、今の自分が歌うべきではないと思って、歌詞やタイトルを替えて。

 そのきっかけとなったのは?

大知正紘:今年の正月や成人式の時に、地元の友達と話をして、就職難だったり、会社に入って力になれていないというか、やらなきゃいけないことがわかっているけど、それをやるにはまだ力が足りないことで、すごく壁にブチあたっている人がいっぱいいたんです。それが上京した時の自分とどこか重なる部分があって、自暴自棄で歌うことに共感しても、その先、頑張ろうっていう気持ちにならないとダメだなと。じゃあ、その危機感から抜け出すためにはどうするかって考えたら、やっぱり明日を信じていくしかないし。特に自分たち若い世代が、自分の殻に閉じこもっている場合じゃないって思った時に、今の歌詞が浮かんできて。歌入れが1月11日だったんですけど、当日まで歌詞を書き直しました。

 今作を歌う上で、特に意識した点は?

大知正紘:最初から最後まで、ガンガン前に出る感じではなく、前半は自分の中の情けなさや弱さをさらけ出すように歌っています。そっちの方が説得力が持てるというか、ただ同じ調子で進んでも自分が聴いた時に、説得力をあまり感じないなと思って。今までとはちがう歌い方で、もっと叫びに近い感じで歌いました。

 参加したミュージシャンも、豪華な顔ぶれですね。

大知正紘:ギターの弾き方ひとつであったり、ひとつの音に込める思いであったり、自分の曲に対して思ってくれていることであったり、本当に人として、ミュージシャンとして学ぶ部分がすごく多くて、一緒に仕事をさせていただいて、いい経験になりました。あまりにもすごい人たちばかりだったので、最初は気おされてしまうんじゃないかなと思ったんですけど、まがりなりにも僕もプロになった以上、負けん気もあって。“食らい付いていくぞ!”という気持ちで、譲れないところは絶対に主張するようにしました。

 カップリングの「虹の見える世界で」は、どんなところから生まれた楽曲なんですか?

大知正紘:この曲は昨年の5月につくった曲ですけど、その頃は自分の気持ちも落ち着いていて。その中で見えてきたのが、“側にいる大切な人”だったんです。上京してきた頃に、付き合っていた彼女がいたんですが、自分の至らない点が多くて。お互い慣れない状況の中でぶつかりあって、傷つけ合った挙げ句、終わってしまったんです。それが自分の中ですごく大きな出来事として残っていて。大切な人の思い方というか、恋愛におけるひとつの正解みたいなものを出したいなと思った時に、周りの空気感と照らし合わせながら形にしていったんですけど、割とすんなりと出てきました。

 大知さんにとって、“虹の見える世界”とは?

大知正紘:“夢”を“虹”に例えているんですけど、“夢を叶えたいと思うのは誰のため?”と考えた時に、それは大切な人のためであって。その虹を暗い部屋の中からひとりで見つめるのはすごく悲しいことだけど、そこに大切な人がいて、2人で見ることができたら、それってすごく素敵なことなんじゃないかなと思って。お互いをどうすれば守っていけるか、手を握り続けていられるかっていうのをその都度考えて、それを続けていくことが大切なんだよっていう気持ちを込めた曲です。

 リスナーの方には、今作をどのように受け止めてもらいたいですか?

大知正紘:なにが今大切で、どこに向かうのか、そのひとつの方向性をふんわりとした形で示しているので、それを感じてもらえるとうれしいです。また次に言いたいことがすごくあるので。

 4月13日には、ファースト・アルバム『ONE』がリリースされますが、こちらはどんな内容になっているんですか?

大知正紘:コンセプトは“ひとつになること”。前作の「手」で、自分自身音楽を通して、さまざまなつながりを感じて、学んだことがいっぱいあったし、大切なものが見えてきた部分があって。周りの人と、ひとつひとつしっかりとつながっていくことによって、縁ができた時に、本当の意味で“ひとつ”なれるし、そこに向けての第一歩を表現しています。

 6月にはワンマン・ツアーも控えていますね。

大知正紘:今はまだどんなことをしようかっていう案が出ている段階なんですけど、これから自分がやっていきたいこと、アルバムのコンセプトで放ちたいメッセージ、それを楽しみながら気づけるような、いいライヴにしたいなと思っています。まずは今作「明日の花」を聴いていただいて、“やるぞ!”っていう生命力を養ってもらえるとうれしいです。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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Shinichi Osawa http://www.beatfreak.jp/interview/13120/ http://www.beatfreak.jp/interview/13120/#comments Tue, 22 Jun 2010 12:57:45 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=13120 『SO2』を6月30日にリリース! 独自の観点でエレクトロ以降を示唆する最先端ダンス・ミュージックがここに!!]]> 01_ShinichiOsawa_610350

既成概念にとらわれない斬新なダンス・ミュージックを生み出すShinichi Osawa。約3年ぶりとなるオリジナル・アルバム『SO2』を6月30日にリリース! 独自の観点でエレクトロ以降を示唆する最先端ダンス・ミュージックがここに!!


 3年ぶりにオリジナル・アルバムをリリースされますが、今作はいつ頃から制作されていたんですか?

Shinichi Osawa:昨年の頭からデモ制作に取りかかっていました。ただ、DJや他のプロデュース・ワークとの並行作業だったので、制作時間としては、それほど長くかかっていません。

 前作『THE ONE』と比較してヴォーカルレスの曲が増えましたが、大沢さん自身が感じている一番変化した部分はどこでしょう?

Shinichi Osawa:エレクトリック・ミュージックか否かということではなく、ダンス・ミュージックもしくはダンス・ミュージックから影響されたリスニング的に響く音楽に特化したことは、大きな変化だと思います。

 今作を制作する上で据えたコンセプトを教えてください。

Shinichi Osawa:“既存のルールをできるだけ適用せずにつくる”というのが唯一のコンセプトでした。だから、既知の手法を使わないことと、まちがいを誘発して積極的に採用することを重視しました。他人から見れば、デタラメなつくり方かも知れないようなことに、実は重要な次への可能性が隠れていると信じています。

 そのコンセプトを決めるにあたって、軸となった“提示したかったこと、表現したかったこと”は?

Shinichi Osawa:核心をつく軸のようなものはありません。ただ、自分の“今”を表現しただけと言ってもいいと思います。

 そのあたりは、昨年リリースした『TEPPAN-YAKI』で、過去のリミックス作品を改めて振り返ったことが影響しているんでしょうか?

Shinichi Osawa:『TEPPAN-YAKI』に限った話ではありませんが、すべての制作はどこかでつながっている感覚はありますね。特に僕にとってのリミックス・ワークは“型”にはめる作業ではなく、作風を広げる“旅”のようなものなので、とても重要です。

 ミニマル(パターン化された音型を反復させる音楽)が多く取り入れられていますが、この狙いは?

Shinichi Osawa:狙いは存在しません。可能な限り自由に発想した結果だと思います。特にミニマルを取り入れたとも思っていないんです。というか、ミニマルの定義がわからなくなってるのかも(笑)。

 曲の並びには緩急があって、ジェットコースター的なノリを感じましたが、曲順に関しては、どのように決めたんですか?

Shinichi Osawa:正直、アルバムとしての組み立てはあまり興味がなかったのですが、マスタリング・スタジオで自然に組み上がりました。ただ、最初と最後の曲だけは、もとから決めていましたが。

 前作では初回盤のみだったDVDが、今作では通常形態でセットになっています。この形態にしようと思ったのは、どんなところから?

Shinichi Osawa:単純に映像があると“楽しい”。これにつきると思います。これをきっかけに、映像とより密接な相互関係の作品を制作してみたくなりました。

 映像に関しては、大沢さんからある程度のイメージを伝えたんですか?

Shinichi Osawa:そういうパターンもありましたが、ほとんどは映像クリエイターの感性に任せました。

 DELUXE EDITION(初回盤)には、上村真俊さんとのDJユニットOFF THE ROCKERによるミックスCDも付属されていますが、こちらの聴きどころは?

Shinichi Osawa:アルバムのミニ・ツアー的なものではなく、DJとして聴いてもらうと、ちがいがわかって面白いと思います。

 今作の楽しみ方として、大沢さんがオススメする聴き方は?

Shinichi Osawa:僕の方から押しつけるようなことはありません。すべてのリスナーに預けます。何の制約もありませんので、自由に楽しんでください。ダンス・ミュージックも混沌の時代を迎えていますが、やはり現場はより一層エネルギーにあふれています。クラブ、フェス、ライヴ・ハウス…音楽の鳴っている現場に出かけましょう!


INTERVIEW:Shinji Takemura


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オーラルヴァンパイア http://www.beatfreak.jp/interview/11514/ http://www.beatfreak.jp/interview/11514/#comments Fri, 21 May 2010 11:09:50 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=11514 『ZOLTANK』をリリース!]]> 01_AuralVampire_610350
L to R:レイブマン、エキゾチカ

エキゾチカとレイブマンによるインダストリアル歌謡ユニット、オーラルヴァンパイア。これまでに数多くの楽曲配信を行ない、日本国内のみならず、海外でも高い評価を受けている彼らが、5月5日、ついにメジャー・ファースト・アルバム『ZOLTANK』をリリース!


 ユニット結成のいきさつを教えてください。

エキゾチカ:レイブマンとは昔からの知り合いで、はじめて見た時はすごく怪しい人だなって。様子がおかしいし、しゃべらないし(笑)。で、たまたましゃべる機会ができて、その時に「将来、何になりたいの?」って質問したら、すごく小さい声で「ゾンビ」って。私もずっと“ヴァンパイアになりたい”っていう願望を持っていたので、普通の人だったら引いちゃうようなレイブマンの答えをすんなり受け止められたんです。それで“ゾンビになりたい怪しいこの人は、普段どんなことをしているんだろう?”って思って聞いたら、打ち込みを使って曲をつくっているっていうのを知って。私は、歌うのが好きだったので、“私が歌うから曲をつくってよ”って言って、その曲で歌いはじめたのがきっかけですね。

 レイブマンさんは、どういう意図で音楽制作をしていたんですか?

レイブマン:もともとテレコでいろんな音を録音するのが好きで、そこからシンセサイザーを使って、ひとりで音楽をつくるようになったんです。だから音楽活動というよりは、単に変な音をつくるのが好きだっただけで。そんな時に、はじめてヴォーカリストに声をかけてもらって、はじめて“曲”っていうものを意識してつくりました。

 その頃から今のようなインダストリアル系の音を?

レイブマン:そうですね。ノイズとか、テクノとか、そういうのをつくっていました。そこから自分でメロディをつくることになって、ノイズやテクノ以外にもパンクやジャズなど、いろんなジャンルの音楽を聴いて、アレンジの仕方や音楽理論みたいなのを独学で勉強しました。

 エキゾチカさんはそれまでバンド活動などはしていたんですか?

エキゾチカ:してないです。おばあちゃんがお店をやっていて、3歳くらいからそこで演歌を歌って、お客さんからおひねりをもらっていたんです。だから、歌を歌うことはすごく自然なことで。それとクラシックバレエをずっとやっていたので、人前に出ることにプレッシャーを感じることもありませんでした。

 音楽性もですが、2人のヴィジュアルも非常に個性的ですよね。

エキゾチカ:これは演出としてやっているわけではなくて、個々で好きなカッコウをしているだけなんです。本当になりたいものになるというか、普通のファッションと同じで、自分の中の理想に近づくためにやっていて。

レイブマン:幸運なことにと言うか、今まで会社に勤めることもなく、社会的な制約を受けたことがないので、好きなように仮面をかぶったり、牙をはやしたり(笑)。流行とかではなく、僕はゾンビのイメージを、エキゾチカはヴァンパイアのイメージをそのまま形にしているだけで。2人で特に合わせているつもりはないんですけど、好きなものが共通しているので“オーラルヴァンパイア”というくくりにちゃんとなっていますね。

 海外でも高い評価を受けていますが、グローバルな活動というのは最初から視野にあったんですか?

エキゾチカ:最初はそういう気持ちは、まったくなかったんですけど、レイブマンのバックグラウンドがテクノとか、もともとドイツ系の音楽で。

レイブマン:ネットを通じて、海外で目をつけてもらったみたいな感じで、僕らの知らない間に広まっていたんです。

エキゾチカ:それで海外にも呼ばれるようになって、最初にドイツに行ったんですけど、向こうってスーパーとか、普通の空間でテクノが流れていて。日本だとクラブとか、特別な空間じゃないと流れていないような音楽が、日常の中に溶け込んでいるんです。だから抵抗なく受け入れてもらえたのかなと思っていて。

レイブマン:日本だと若い子の部屋にあるのはギターだと思うんですけど、向こうだとシンセサイザーが置いてある文化らしいです(笑)。

 メジャー・ファースト・アルバムがいよいよリリースされますが、今作に込めた思いは?

エキゾチカ:かなり長い間、ライヴだけで音源を出していなかったので、これはホントに名刺代わりの1枚という感じで。今まで出せなかった間に私たちが感じてきたことを詰め込んだタンクみたいなアルバムなので、ストーリー性があってというよりは、1曲1曲に私たちの思いが詰まった短篇集的な作品ですね。全部通して聴いてもらってもいいし、1曲1曲別の脳味噌で聴いてもらっても面白いかなと思います。

レイブマン:収録されている曲の年代もバラバラで、古い曲だと5年以上前の曲もあって。それらがまとまっているっていうのが、ずっとやりたかったというか、それをやらないとスタートできないというのがありましたね。

エキゾチカ:そう。だから“ファースト”っていうよりも“ゼロ”っていう感じです。メジャーで1枚目なんですけど、“これから”というよりも“今までの”という。

レイブマン:僕らのタイプ的に、本当はコンセプトを決めたかったんですけど、リリースされていない曲が溜まりすぎてしまっていたので、今回はそういうのを全部まとめてっていう形で。

エキゾチカ:と言っても、すべて新しく録り直していて。音もその時代その時代で古くなっていってしまうので、今のレイブマンの音をちゃんと入れてつくりました。だから、同じ曲でも新しい作品として聴いてもらえればと思います。

 ということは、収録曲はこのアルバムのために制作したというのではなく、今まであるものの中から選んで収録したんですね。

エキゾチカ:そうですね。私たちの中に溜まったものを吐き出す作業というか、身ごもったまま産めなかったものたちが詰まっています。

レイブマン:重いな(笑)。

エキゾチカ:重いかな(笑)。でもわかるでしょ、なんとなく。

レイブマン:まぁね。ただ、僕らは社会派メッセージとかそういうんじゃなくて、聴いてその世界観を楽しんでもらうっていうことがやりたいので、僕らとしては重いけど、聴く人は身構えずにライトに楽しんでいただければいいかな。

 サウンドづくりで重視しているのは、どんなところ?

レイブマン:基本的には個人作業だから、思ったようにっていう感じなんですけど、しいて言うなら、ちょっとしたテーマとしてあるのは、“アンダーグラウンドにもJポップにも、どっちにも通用する”っていうのを意識しています。

 レイブマンさんはDJとしても活動していますが、自身がDJとしてかけられるようなものっていうのは意識しているんですか?

レイブマン:オーラルヴァンパイアに関しては、その辺は意識していないですね。DJでかけるものは、オーラルヴァンパイアとは別のチャンネルで考えています。

エキゾチカ:レイブマンのホントの趣味ってなると、Jポップの要素がなくなっちゃうもんね(笑)。

レイブマン:それどころかホントにアンダーグラウンドの中でも気持ちの悪い曲が好きなので(笑)、聴く人をかなり選ぶ感じ。

エキゾチカ:だからオーラルヴァンパイアの時には、ちゃんとこっちにチャンネルを合わせてくれているなっていうのは感じます。

レイブマン:両方とも好きなので、どちらか一方をやっていれば満足っていうことはないんです。

エキゾチカ:両方やらないと消化されないんだよね。DJもそういう作業として必要なことで、オーラルヴァンパイアとして曲をつくるのも必要なことだって。ふたつのチャンネルでやっていかなきゃ、バランスが取れないみたいです。

 詞に関しては、英語があまり使われていませんが、これはあえて意識している部分なんですか?

エキゾチカ:あえてというか、日本人だし、もともと使っている言葉が日本語なので、逆に英語で歌う必要性がないというか。あと、言葉遊びをするにあたって、語学力の問題で英語じゃそれができないっていうところですね(笑)。海外の人も聴いてくれてるんですけど、やっぱり一番は日本人に面白いなと思ってもらいたいので、その辺ではやっぱり日本語にこだわりがあります。

 譜割というか、音に対する言葉ののせ方も独特ですよね。

エキゾチカ:曲の中で絶対1カ所以上引っかかる部分ってないといけないなと思っていて。その引っかかりがあるように言葉をのせたりもするし、造語でもいいんですけど、言葉に対して「どんな意味なんだろう?」と思ってもらえるように意識してつくっています。心地良いのより、私自身がそういうちょっと毒の強い物が好きっていうのもあります。

 今作はどのように楽しんでもらいたいですか?

エキゾチカ:新しく聴いてくれる人に対しては、ホントに名刺代わりの1枚になっていて、いろんな種類の曲があるから、好みとかあると思うんですけど、音を楽しむとか、歌詞から自分の中で映画をつくってみたりとかして楽しんでもらえたらなと思います。あとはインディーズの頃から応援してくれている人たちのことをすごく待たせているので、その人たちに向けてっていうのもかなり大きいです。そういう人たちが聴いて楽しんでもらえるようにもつくってあります。

レイブマン:いろんな人が、いろんな楽しみ方をできるようにしてあって、たとえば歌詞を聴く人は歌詞を深読みして考えるっていうパターンもありますし、語感だけで楽しんだりとかもできますし。頑張っていいバランスでつくって、いろんなものが立ったアルバムになりました。

エキゾチカ:ジャケットもブックレットも盤のデザインも全部レイブマンがやっているので、かなり心がこもった作品になっていると思います。とにかくこれを聴いてもらって、この先を期待してもらいたいですね。そのためのアルバムなので、これからのオーラルヴァンパイアをぜひ見守っていただきたいなと。あとは今ある音楽とか、今ある音じゃなくて、新しい物をどんどん発信していけるようなアーティストになりたいと思っているので、こまめにチェックしてもらえたらなと思います。

レイブマン:ホントにいろんなタイプの人に聴いてもらって、僕はどういう反応なのか知りたいですね。自分の頭の中をのぞかれている感じなので。それと、エイベックスからこういう音楽が出るっていう面白さもあるので、そこは今後も期待してもらいたいというか。エイベックスのこういう部門を開拓していきたいなと思います。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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オマスガ http://www.beatfreak.jp/interview/10355/ http://www.beatfreak.jp/interview/10355/#comments Fri, 30 Apr 2010 03:00:47 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=10355 『オマスガイダンス』でデビュー! OMAの個性的なヴォーカルと2人が生み出すトラックに耳を傾けよう!!]]> 01_omasuga_610350
L to R:OMA、SUGAR-G

“チョットイイ唄”を届けるライト・ヒップ“ポップ”・ユニット、オマスガが、4月21日にリリースされるミニ・アルバム『オマスガイダンス』でデビュー! OMAの個性的なヴォーカルと2人が生み出すトラックに耳を傾けよう!!


 2人はどのようにして出会ったんですか?

SUGAR-G:仲間内でやっていたイベントにOMAが遊びにきて、そこで出会ったんです。その頃、手づくりの名刺をつくったばかりで、いいなと思った人に渡していたんです。

 最初からユニットを組もうと思って、渡したんですか?

OMA:いや、何も考えてなかったと思いますよ(笑)。

SUGAR-G:せっかくつくったんで、ただ配りたかっただけみたいな(笑)。

 結成前はそれぞれ個々に活動を?

OMA:SUGARはやっていたんですけど、僕はオマスガの前は特に活動はしていないんです。はじめた当初は、音も何もわからないから、即興で歌を歌うしかなくて、MCバトルなどに参加していたくらいですね。

 音楽をはじめようと思ったきっかけは、どんなことだったんですか?

OMA:もともと海外の90年代のヒップホップが好きで、よく聴いていて。札幌から東京に出てきたばかりで、ラップをやれば、そのつながりで友達ができるかなと思ってはじめたんです(笑)。それでSUGARと出会って、彼から輪が広がっていったので、もしSUGARと出会っていなければ、今の僕はないと思います。

 SUGAR-Gさんは昔からDJとして、ずっと活動を?

SUGAR-G:そうですね。昔はロックなども好きだったんですけど、ヒップホップの泥臭い感じというか、そういう部分が好きで。それで、先走ってDJの機材を買いそろえてしまったこともあり、引くに引けなくてはじめたんです(笑)。

 音楽を仕事にしようと思ったのは、結成当初から?

SUGAR-G:結成当初は“OMA & SUGAR-G”というユニット名だったんですけど、それが“オマスガ”に変わった時から、俺の中ではスイッチが入った感じですね。当初はOMAとだけでなく、他にやっていたユニットがあって、かけもちみたいな感じだったんですけど、そこでは自分を活かしきれていない気がしていて。OMAとやるのがとにかく楽しかったこともあって、“オマスガ”になって意識が変わりました。

 楽曲制作は、どのように行なっているんですか?

OMA:リリックは僕が、トラックは2人で話し合ってつくっています。パターンとしては、僕がゆっくり系の曲を、SUGARが速い曲をつくることが多いですね。

SUGAR-G:音楽に関しては、お互いに信じ合っているところがあるし、お互いが持っていないものをお互いが補う感じで、いいバランスが取れていると思います。

 今作を制作する上で、重視したことは?

OMA:聴いていて、飽きのこないものをつくろうというのは意識しました。タイトル通り、“オマスガというアーティストのガイダンス”として、いろんな引き出しがありつつ、ポップなものも感じられる出来映えになったと思います。

 「ココにはいないキミへ<2010 Ver.>」は、’07年のSTARZオーディションに参加された楽曲ですね。

SUGAR-G:僕らがはじめてオーディションに参加した曲でもあり、この曲をきっかけにいろいろと道が開けたので、いっぱい思いがつまっている曲です。昔とはアレンジを少し変えています。

OMA:STARZのコンピレーションに収録されたものよりも生感を上げたし、生のストリングスも入れました。

 もともとの曲は、オーディション用に制作したんですか?

OMA:いや、それより前からありました。4〜5年前ですかね。ポップな要素は取り入れていたけど、いわゆる歌モノはまだやっていなかった頃で。だから、サビは“歌う”というよりも、ヒップホップ的な構築の仕方をしています。歌モノを歌モノとして扱えるようになったのはここ2〜3年の話で、それまでは“歌モノっぽい”というだけだったんですが、それが最近はいろいろと勉強して、消化できるようになったので、ヴォーカルのテイクも、そういった部分を取り入れられたと思います。

 やはり歌モノとそうでない曲とでは、アプローチの仕方が変わって?

OMA:もともと歌が上手く歌えるわけではないので、歌心というか、感情を入れつつも、ただ“ラップにメロディをつけただけ”という尺度で自分たちはやっています。もっと上手い人が歌えば、ちがうアプローチがあると思うんだけど、あくまでもラップの範疇で、歌モノに関しては、そこからちょっと飛び出した気持ち良さを表現できればいいかなと思っていて。だから、感覚としては、ラップの人間が少しちがう方向に進化したっていうイメージでつくっています。

 「雪のナミダ」では、高杉さと美さんをフィーチャーされていますが、どんな経緯で?

OMA:楽曲のイメージが漠然とあって、誰かカジュアルな感じで歌う方をフィーチャーしたいなと思っていたんです。で、イメージに合う人を考えていたら、高杉さんとそのイメージがリンクして。ただ、高杉さんとは、それまで面識がまったくなかったので、無理だろうなと思いつつ、ダメ元でオファーしたんです。そうしたら、快くお返事をいただいて。だから、こちらから押し掛けでお願いした感じなんです(笑)。

 歌にのっかっていくラップというところでは、普段とちがいは感じましたか?

OMA:そうですね、人とコラボすることが少ないので。それとさっきも言いましたけど、僕はちゃんと歌を歌えるわけではないので、高杉さんのような、ちゃんと歌を歌える方にのっかっていくことでどうなるのか、想像がつかなかったんですが、ピッタリとハマりましたね。

 「夜ガ明ケルマデ」は、にぎやかなパーティ・チューンですね。

SUGAR-G:これは割とホーンを強めにしていて、スカをイメージしてつくりました。もともとは、OMAと僕の2人だけでやるつもりだったんですが、アゲアゲのいい感じのトラックに仕上がったので、誰かに混ざってもらおうということになったんです。

OMA:この曲も、昔からあった曲で、今までいろんな人を迎えてやっていたんです。今作に収録するにあたって、今までと差別化を図ろうということになって、誰にしようか考えた時に、歌モノで高杉さんに参加していただいているから、これも女の子に参加してもらおうと。で、プライベートでも仲良くしている後輩のRe:mic(リミック)という女の子3人組ヒップホップ・ユニットのAIMIちゃんに参加してもらいました。

 「Shangri-La」は、電気グルーヴのカヴァーですが、今作にカヴァーを収録しようと思ったのは、どんなところから?

OMA:今の若い世代の子たちが、あまり聴いたことのない曲を、僕たちを通して“こんないい歌もあるんだよ”っていうのを知ってもらいたくてカヴァーをやろうという話になって。この曲をカヴァーさせていただいたのは、単純に僕らが電気グルーヴさんのファンというところからです(笑)。

 楽曲はそんなに手を加えていないですね。

OMA:そうですね。少しヒップホップのテイストを盛り込んだアレンジにした程度で、元曲の良さを活かすようにしています。そもそもの目的が“若い子に昔のいい歌を知ってもらうこと”なので、僕らがいじってリミックスするよりも、カヴァーという形にした方が、ボケないで伝わるだろうし、ファン心理から、この曲が持つ世界観を崩したくないっていう気持ちもあったので。

SUGAR-G:それともうひとつ、制作する上では“そのままクラブでかけられる”というところを意識しました。なので、自分がDJやる時も、たまにかけてます(笑)。

 “DJでかけられるものを”というのは、トラックづくりで常に意識しているんですか?

SUGAR-G:常にというわけではないですが、そのつもりでつくるトラックもあります。ただ、自分でつくった曲を自分でDJとしてかけるのは、ちょっと照れくさいですね。自己アピールするタイプじゃないので(笑)。

 「サンキュー」はライヴの定番曲ということですが。

OMA:それもあるんですけど、周りのスタッフや仲間、ファンに対して、本当に“サンキュー”という気持ちがあって。アルバムの最後を締めくくるのにも、ふさわしかったっていうのがあります。

 この曲と「夜ガ明ケルマデ」の前には、スキットが入っていますが、これはどちらが?

OMA:これはSUGARが、全部ひとりでやっています。僕はノータッチでした。というのも、スキットがあった方がいいなと思って、SUGARにその話をしたら、もうすでにつくってたんです(笑)

SUGAR-G:好きなんですよね。1分あるかないかのところに世界観を詰め込むのが。昔のヒップホップのアルバムとか聴くと、やっぱり曲の前後にスキットが入っていて、それがすごく好きだったので、そのイメージを組み込みました。

 5月22日には、渋谷のDESEOでリリース・パーティが開催されますね。

OMA:もともと毎月第4土曜日は、仲間とレギュラーでイベントをやっているんです。本当は企画を練って、昼間のお客さんとかにもアピールしようかなとも思ったんですけど、僕らの原点が“夜中のクラブ”なので、リリース・パーティは原点からだろうと。それと、いつもの仲間たちに祝ってほしいというのがあったので、それならいつものイベント、いつものメンツで肩肘張らずにやろうっていうことで。ただ、いつもとはちょっとちがう+αの要素は乗せようと思っています。

SUGAR-G:変に着飾るよりは、普段通りっていうのがオマスガらしいかなと。着飾ってもメッキがはがれるだけだし(笑)。

 オマスガが目指すアーティスト像は?

SUGAR-G:オマスガは、徐々に成長していっていると思っていて。実際、相方の声質も変わってきているし、歌い方も以前より上手くなっていて、これからもそれはあると思うんです。その成長具合を、どんどん刻んでいければなと思っています。

OMA:僕らのコンセプトが“チョットイイ唄、トドケマス。”なので、“すごくいい歌”というよりは、“ちょっといい歌”っていうのを量産して、必ず出していこうと思っています。だから、理想のアーティスト像は、“長生きするアーティスト”になることだと思っています。まずはこの『オマスガイダンス』を僕らの名刺代わりの1枚と思っていただければと思います。これを聴いてちょっとでも興味を持ってもらえたら、まだまだアイデアもネタもいっぱいあるので、次も期待してください。

SUGAR-G:今後も頑張りますので、オマスガをよろしくお願いします。このミニ・アルバムとともに、ブログの方ものぞいてみてください。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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大橋トリオ http://www.beatfreak.jp/interview/7831/ http://www.beatfreak.jp/interview/7831/#comments Tue, 16 Mar 2010 06:14:05 +0000 webmaster http://www.beatfreak.jp/?p=7831 『FAKE BOOK』が登場!!]]> 01_OhashiTrio_610350

昨年11月にメジャー・ファースト・アルバム『I Got Rhythm?』をリリースしたばかりの大橋トリオが、早くも次なる作品をリリース! 3月10日には洋邦の名曲をカヴァーした『FAKE BOOK』が登場!!


 初のカヴァー・アルバム『FAKE BOOK』は、原曲の新たな魅力と同時に、大橋トリオの魅力も再発見できる1枚だと思うのですが、大橋トリオとしてカヴァー・アルバムを出してみたい、という思いは以前からあったんですか?

大橋トリオ:シンガーとして自分でも歌うようになったきっかけが“カヴァーを歌うこと”だったので、カヴァーというのは自分にとって非常に大事なものというか。なので、いつかやりたいなっていう気持ちはあったというか。ならば今やってしまえ、と(笑)。

 当時はどんな曲を歌ってたんですか?

大橋トリオ:ジェイムス・テイラーとかビリー・ジョエルとか、シンガーソングライター系の曲が多かったですね。

 今回はそういうものとはまたちがう、意外な楽曲もたくさんカヴァーされてますよね。

大橋トリオ:自分のルーツを知ってもらうためのカヴァー、というのもいいと思うんです。でも大橋トリオとしてはそういうのはライヴでやってるから、作品にするなら意外な曲の方がいいかな、という思いもあって。それで今回は曲を選ぶ時に、トム・ウェイツのように昔から大好きでライヴでもやってるような曲以外に、“こういう曲を大橋トリオ流にアレンジしたらどんな面白いものになるのかな?”っていう、周りの提案も聞いてみよう、と。海援隊の「贈る言葉」とかジェイソン・ムラーズの「I’m Yours」とかも周囲の提案で選んだ曲なんですよね。

 「贈る言葉」のようにインパクトが強くて誰もが知っている曲を、こんなにもさらっと自分流に歌ってみせるなんて、大橋トリオにしかできないことかもしれないですね。

大橋トリオ:結構、試行錯誤しましたよ。歌ってる時にどうしても髪を耳にかけたくなりますからね(笑)。そこをグッとこらえて、“大橋トリオ!”って、自分に言い聞かせつつ(笑)。

 「贈る言葉」がこんな内省的な失恋ソングだったことに気づかされたりとか、大橋さんが歌うことで各曲の歌詞の内容や意味がまたちがって響いてくる、というのも面白いですよね。

大橋トリオ:(歌い方が)ささやいてるような感じだからじゃないですかね。“歌ってる”というよりは、しゃべってる方が近いぐらいな感じだからとか。僕自身はよくわかんないですけど(笑)。

 全編生音で聴かせる宇多田ヒカルの「traveling」や、マイケル・ジャクソンの「HUMAN NATURE」も新鮮ですよね。

大橋トリオ:「travelling」はラジオでよくかかってた時に車で聴くことが多かったんですけど、ちょっとアクセル踏み過ぎちゃう、みたいな原曲のテンポ感に無意識にグッと来てたので、そこを活かした解釈にしようかな、と。マイケルの「HUMAN NATURE」はもともと好きな曲なんですけど、曲のインパクトというかアレンジのバランスも素晴らしくて。マイケルの曲はだいたいそうなんですけど、この曲もすごい緻密にできてるんですよ。自分でアレンジしてて思ったんですけど、このフレーズ要らないかなって思って抜いてみるとダメなんですよ。で、要らないと思った1音を入れてみるとやっぱバランス良くて。とにかく、よくできた曲なんですよ。

 大橋さん自身もカヴァーしながら原曲の魅力にあらためて気づかされた部分もある、と。

大橋トリオ:どの曲も文句なしにJ-POPや洋楽の名曲ですからね。だからこそ、アレンジ次第でどうにでもなっちゃうんだなってことがわかりました。自分のものにどれぐらいできてるかわかんないですけど、自分っぽく持っていけるものなんだなって。

 『FAKE BOOK』というタイトルの由来は?

大橋トリオ:ジャズの楽譜集で、日本に「STANDARD BOOK」、アメリカに「REAL BOOK」と「FAKE BOOK」というのがあるんですよ。最初はスタンダードにしようと思ったんです。収録されてる曲はどれもポップスのスタンダードだし、自分もジャズをやってたしっていうのもあって。でもそれじゃ芸がないし、かといってリアルだとこれが本物、っていう風にとられてもなぁって(笑)。で、『FAKE BOOK』。オリジナルがあってこその偽物だよっていう感じもいいかなって。オリジナルという、偉大な曲やミュージシャンへのリスペクトあっての偽物作品=『FAKE BOOK』ですから。

 いつかストレートにジャズのカヴァー集をつくってみたい、という思いはありますか?

大橋トリオ:いずれやってみたい、とは思いますけどね。でもジャズ・ミュージシャンが普通にジャズの名曲をカヴァーしてる素晴らしい作品って、もうすでに世の中にたくさんあるから、僕がやる必要はないっていうか。僕は大橋トリオとしてどうやるかっていうのをちゃんと考えてやるべきだな、と。だからもしやるなら、“ジャズなんだけどなんか新しいね”っていうような、自分らしい新鮮さや面白味を思いついた時にやってみたいですね。


INTERVIEW:Kanako Hayakawa


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