MEGARYU

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L to R:MEGAHORN, RYUREX

結成11年目に突入したレゲエ・ユニットMEGARYUが放つ7枚目のオリジナル・アルバム『メガトンチョップ』が、7月20日にリリース! 初のセルフ・プロデュースで制作した今作は、過去最多のトラック・メーカーを起用。今まで以上にバラエティに富んだ刺激的なアルバム!!


 昨年は結成10周年ということもあり、いつも以上に多忙な1年でしたが、振り返ってみていかがでしたか?

RYUREX:曲もたくさん出せて、ライヴもいっぱいできて、充実した1年だったんですけど、最後は満身創痍でしたね、2人とも。リハーサルが終わってから病院に行って、それから本番…なんて時もありましたし。そこまでやれたというのは、すごく感謝しなきゃいけないことだし、楽しかったんですけど、内心では“しんどいなぁ”と思うこともありました(笑)。でも、記念すべき10周年ということで周りの人たちも盛り上げてくれて、ベスト・アルバムをリリースしたり、観光大使をやらせていただいたり、地元の中日ドラゴンズの始球式をやらせていただいたり…いろんな“初物”をたくさん経験できたので、アーティストとしてそれを活かして“次の年も勢いづいていくぞ!”っていう気持ちになれました。

MEGAHORN:確かに10年やってきたけど、やってなかったことが意外とたくさんあったなっていうのは感じました。今まであまり過去のことを振り返ることがなかったので、改めて見つめ直すいいタイミングにもなりました。それと、フェスなど複数のアーティストが参加するイベントで、トリを務めさせてもらうことが去年から多くなって。割と年功序列で順番が決まることが多いんですけど、そういうところでも“10年だな”っていうのを実感しました。

RYUREX:楽屋で若いアーティストから“にいさん”って呼ばれるようになったしね(笑)。でも、そういう彼らの勢いをヒシヒシと感じると、こっちも“負けねぇぞ!!”って気持ちになりました。

 今作を制作する上で、昨年過ごした“10周年”という要素が影響した部分はありましたか?

RYUREX:大いにありましたね。10周年を迎えて、より自分たちの描きたい音づくりとか、歌詞の世界観を織り交ぜて曲をつくっていこうっていう意気込みが出てきましたから。

 今作をセルフ・プロデュースしたのも、その意気込みの表れ?

RYUREX:セルフ・プロデュースをしたのは、自分たちが音楽の道に歩みはじめたきっけでもあり、今まで携わっていただいてきたプロデューサーの加藤学さんが今年亡くなりまして。加藤さんから教えられてきたものや加藤さんに誇れるような新しいアイデア、音づくりをしたいと思って、一歩踏み出したんです。今までとはまったくちがう不安もあり、自分たちを鼓舞してやる気を高めようという気持ちがいつも以上に強くありました。

 セルフ・プロデュースをしてみての感想は?

MEGAHORN:今までだったら“加藤さん、これどう思いますか?”とか、周りの人に意見を聞いて、最終決断を下してもらっていたんですが、それをすべて自分たちで判断しなくてはいけなかったのが、少しキツかったです。ただ、その反面、人に頼らないで自分たちだけでやるっていうのは、自分たちをもっと成長させるメリットがあるんだなっていうのを、今作をつくり終えて実感しました。

RYUREX:今作は新しいトラック・メーカーさんにアプローチしてみたり、10年以上ぶりにソロ曲をやってみようと思ったり、いろんなアイデアが自然に浮かんできて、楽しみながらできました。

 「100℃」は、ライヴで盛り上がりそうなパーティ・チューンですが、この曲はどんなところから?

MEGAHORN:オープニングのMCは、去年から専属でライヴ・セレクターをやってくれているTRAN-X(トランクス)にお願いしているんですが、彼と3人で何かできることはないかなと考えてつくりはじめたのがきっかけです。彼にはライヴの時に後ろで回して盛り上げてもらったり、僕らのことを紹介してもらったり、いつも支えてもらっているので、僕ら2人だけじゃなく“3人で”っていうのがこの曲の一番のポイントですね。MCが入ったことですごく現場的な感じが出たし、ライヴに参加しているような感覚で聴いてもらえたらうれしいです。

 「Light Up」は、アカペラでのはじまりが、すごく印象的でした。

MEGAHORN:これはトラック・メーカーの上代(M.Kamishiro)さんのアイデアでした。上代さんとは7年前の、最初のアルバムの頃から携わっていただいているんですけど、この曲に“どうやって味を出していくか?”って考えていた時に、“アカペラではじめたら面白いんじゃないか”という話になったんです。自分たちはアルバムをつくる上で、前と同じことはやりたくないっていう気持ちを持っているんですけど、それは上代さんも同じで。今までこういうさわやかなポジティヴ・ソングって結構歌ってるんですけど、サウンドとメロディと歌詞を少しずつ今までとちがった方向に持っていきながらつくっていったら、こういう形になりました。

RYUREX:“いつもとちがう音づくり”っていうのは、俺らやトラック・メーカー、バンドも含めて、常に考えていますが、最終的にはおいしいところに落ち着きますね。下手に考え過ぎると逆に違和感が出てきて、納得いかなくなってしまうこともあるんですけど、“アカペラはじまり”はキラッと光る良いアクセントになりました。

 MEGAHORNさんのソロ曲「スペシャルサマー」にフィーチャーしているleccaさんとは長いお付き合いですが、新しい発見などはありましたか?

MEGAHORN:新しい発見というか、再確認することが多かったです。こういう感じのメロディだとこういう風に歌うんだとか、こういう歌詞を書くんだとか。前に一緒にやってから、5年くらい間が空いているんですが、お互い頑張ってきたことや彼女の良さを再確認できて、一緒にやってよかったなって思います。それと彼女が妊娠中なのに一生懸命頑張ってくれて、あの仕事に対する姿勢は本当に尊敬しますね。曲の内容としては、すごくピュアな恋人同士のはじめての夏を歌っているので、30代の方は昔のピュアな気持ちに思い出しながら、20代、10代の方は今年の夏を思い浮かべながら聴いてもらいたいです。

 RYUREXさんは、この楽曲を聴いてどんな感想を持ちましたか?

RYUREX:こういう曲をつくっているっていうのは話に聞いていたんですけど、楽曲自体はミックスが終わってからはじめて聴いたんです。エンジニアから送られてきたのを、“どんなのつくったんだろう”ってワクワクしながら聴いたら、すごくさわやかな楽曲で。自分が参加しなかった分、客観的にいつもとちがう立ち位置で聴けて、楽しかったです。

 「一音一会」は、70年代を彷彿とさせるルーツ・サウンドが特徴的ですね。

MEGAHORN:もともと渋い感じのデモだったんですけど、まさかこういう感じになるとは思いませんでした。トラック・メーカーのRaggamatix-BandのKUUBOさんは、いつも“こういう感じは?”って何パターンかやってくれるんですけど、ここまでルーツ寄りの曲っていうのは、今までなくて。さっき言ったように、今までやっていない曲ができたので、すごく良かったです。

 歌う上では、どうでした?

RYUREX:この曲は歌いやすくて、自然と声が出せましたね。

MEGAHORN:僕は逆に歌いにくかったです。短く切るようなメロディにしたら、ラップがうまくのらなくて(笑)。それで裏打ちのスピードを倍にしてもらって、ノリを出して、形にしました。

 “一音一会”というタイトルは“一期一会”のモジリだと思うんですが、どんな思いからこのタイトルを?

MEGAHORN:同じメンバーを集めて、同じ状態でやったとしても、ひとつとして“同じライヴ”っていうのはなくて、その時その時1回きりしかない…いつもそう思いながらライヴをやっているんですけど、去年は10周年というのもあって、そのことを特に強く感じたんです。ライヴって自分たちにとって、すごいエネルギー源になっていて、そこでたくさんの出会いがあり、いろいろと感じることがあったからこそ、10年も続けてやってこれたんだなって。明日(編注:取材日は6月10日)、震災で被災した岩手県の釜石でフリーライヴをやらせていただくんですけど、去年、釜石にはじめて行った時に温かい街の雰囲気や温かい人たちに触れていたからこそ、“俺たちも何かしたい”という気持ちが生まれてきた部分もあって、そういうところに“一音一会”っていうのを改めて感じます。

 「永遠(とわ)に贈るLOVE SONG」は、ダンスホールにのせたことで、より情熱的になっていますね。

RYUREX:最初は、ベタにバラードでいくか迷っていて、ダンスホールとバラードと2つデモをつくったんです。両方歌ってみて、トラック・メーカーの上代さんにも相談しながら、ダンスホールに決めました。バラードでのラヴァーズものは、これまでもいっぱい歌ってきているので、これもある意味新しいチャンレジでしたね。普段なら恥ずかしくなっちゃうような歌詞をアツく歌えたので、すごくよかったです(笑)。

 RYUREXさんのソロ曲「宛名のない詩(うた)」は、3月の震災での経験をもとに書かれたそうですが、どんな思いから生まれた曲なんですか?

RYUREX:地震があった当日、移動中で新幹線に乗っていて、車内に8時間閉じ込められてしまったんです。その時、車掌さんがスピーカーから事務的な連絡ではなく、不安な人たちを和ませてくれるような話をしてくれて、車内の空気が落ち着くのを目の当たりにしたんです。それを見て、俺も不安になっている場合じゃないぞと。そこから心がいい方向に向いて、避難した体育館でも助け合ういい動きができたし、岐阜に戻ってからも自然と支援活動に動けました。だから、そのきっかけを与えてくれた車掌さんに感謝の気持ちを贈りたいと思って書いたのがこの曲です。

 その車掌さんとの出会いが意識を変えたと。

RYUREX:そうですね。今までも募金やエコキャップ運動(ペットボトルのキャップをワクチンに換えるキャンペーン)はやってきたんですけど、今回、自分たちが助けられた経験をして、もっと踏み込んで活動できるようになりましたし。あの時に周りの人からもらったものを歌で届けていきたいです。車掌さんは声だけで、顔も名前も知らないんですけど、この間JRに電話して、探していただけることになって。いつか、直接本人に感謝の気持ちを届けられたらと思っています。

 DVDに収録されている「言えなかった「ありがとう」」のミュージック・ビデオは、アルバム用の新ヴァージョンですが、どんな内容になっているんですか?

MEGAHORN:“あなたが「ありがとう」と言いたい人の写真やメッセージ”をファンの方から募集しまして、それをもとにヴァージョン・アップしました。写真やメッセージがすごくリアルで、そのリアルさが自分たちのメロディや歌詞をプッシュしてくれていて、さらにいいミュージック・ビデオに仕上がっています。

RYUREX:想像以上の“ありがとう”が集まって、本当にいろんな“ありがとう”のリンクができてよかったです。

 DVDには昨年のツアー映像も収録されていますね。

RYUREX:今までもライヴDVDは出したかったんですけど、なかなか機会がなくて。前作にはイベント『メガトンパンチ』の映像が収録されているんですが、ツアーの映像は、今回が初ですね。まだ、ライヴに来たことがない人に、ライヴってこうやって楽しむんだとか、最近のMEGARYUってこういうこともやってるんだとか知ってもらって、ライヴに来てもらいたいです。生はもっとすごいんで。

 その生のライヴ、全国ツアーが10月から開催されますが、こちらへの意気込みは?

MEGAHORN:去年よりも、もっとアグレッシヴにいきたいです。去年経験したことでいろいろとわかった部分もあるんで、それを活かして、聴かせるところは聴かせる、アグレッシヴにいくところはアグレッシヴに、メリハリのついたライヴにしたいです。

RYUREX:まだ、アルバムが完成したばかりなので、構想はこれからなんですけど、幅を増やしていきたいですね。新しい振りを取り入れたり、フロアへのアプローチをもっとキレのあるものにとか、いろいろと考えているところなので、期待していてください。

 それでは最後に、ファンの方へのメッセージをお願いします。

MEGAHORN:ニュースでやっていましたが、今年の夏も暑くなるみたいです。このアルバムを聴いて、みんなの気持ちも熱くなってもらえたらいいなと思います。自分たちは、音源とツアーでひとつのセットと考えているので、このアルバムを聴いた後は、ぜひライヴにも足を運んでください。

RYUREX:今回のアルバムには、いろいろな人から受けたものを曲に込めていて、メッセージ性の強いものがたくさんありますが、それだけでなく、今を楽しむ気持ちや好きな人に情熱的に伝える気持ちなども込めています。感謝の気持ちも大事ですが、パーッと発散することも大事なので、このアルバムを聴いて、元気になってもらえたらうれしいです。


INTERVIEW:Shinji Takemura


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